良い温度制御システムを作るための知識
温度制御の技術情報

良い温度制御システムを作るための知識

マツオは使い勝手の良い、世界に誇れる温度スイッチを作っていますが、残念ながら苦情はゼロになりません。

熱制御システムは[ユーザー][ヒーター・クーラーなどの電源][サーモスタット][被加熱物]の4要素から成り立っています。その4要素が本当にベストな使われ方をしているか、最初に徹底的に調べましょう。それを十分つめれば不良など出ないはずなのです。

1.大きすぎるヒーターを使っていないか

例えば、被加熱物の熱容量に対して、早く所定の温度まで昇温させたいために過大なヒーターを使っていませんか。

この場合はヒーターの繰り返し動作回数が多くなってサーモスタットの寿命が短くなりますし、温度のオーバーシュートによって温度保持が不安定になります。初回の温度上昇を少し待ってもよいなら寿命は3倍になるかもしれません。

2.この温度制御の最終目的をまず再確認して、周辺材料から検討しよう

サーモスタットは温度変化を感じて負荷(ヒーター・モーター・ファン・電球etc.)を制御していろいろの仕事をさせます。

● 雰囲気は気体か液体か
● 周囲にある熱媒体は熱絶縁物か熱良導体か
● サーモスタットの特性はこのシステムにあっているか
● あなたの用途はコントローラーがよいのか、プロテクターがよいのか、バイメタル式がよいのか、電子式が良いのか
2.この温度制御の最終目的をまず再確認して、周辺材料から検討しよう (2)

3.サーモスタットはコントローラーとプロテクターに大別されます。どちらを使うのかまず決めてください。

3.サーモスタットはコントローラーとプロテクターに大別されます。どちらを使うのかまず決めてください。
● コントローラーは繰り返し動作回数は定格負荷では最低でも10万回以上、機械的な繰り返し動作回数は1000万回以上あることが普通です。

● プロテクターは一概には言えませんが、最も単純な構造の温度プロテクターである温度ヒューズは1回切れたらそれでお終いです。

バイメタル式プロテクターは、1000回くらいのもの、5000回くらいのもの等、いろいろありますので注意してお選びください。当社の03型は、プロテクターの中では最も寿命の長い部類で、プロテクターとして使うときには10万回までですが、コントローラー的に使うときは1万回くらいです。

コントローラー用とプロテクター用の寿命が違う理由は、03型のようなディスクタイプは、バイメタルを球面上にシボって跳躍性を持たせていますが、バイメタルはバネ材ではないので1000回も繰り返し跳躍動作をさせると、シボリが少し浅くなってしまうからです。

つまり動作温度が少し低温側に変化するわけです。プロテクターは少し温度が狂っても最終的に回路が切れればあまり問題になりません。コントローラーでは温度が狂うことは致命的なのです。

4.サージ・アーク等、接点に悪影響を及ぼす減少からサーモスタットを守るためにコンデンサ・抵抗等を使ったサージプロテクターを使うことを推奨します。

「サージキラー」「スパークケンチャー」「アークキラー」などの呼び名で市場で売られています。
取付方法は、接点と並列につけるのが普通です。なるべく接点に近い位置に付けてください。

負荷の代表的な特性を構造別に述べてみました。十分に余裕のある設計をして下さい。
(1)抵抗負荷突入電流i/定格電流io=l
(2)白熱電球i/io≒10~15倍、約1/3秒
(3)蛍光灯i/io≒3倍、約10秒以内
(4)水銀灯i/io≒3倍、約3〜5分
(5)モーター(ファン)i/io≒5〜10倍、約0.2〜0.5秒
(6)ソレノイドi/io≒10〜20倍、約0.1秒
(7)電磁接触器i/io≒3〜10倍、約1/30秒
(8)コンデンサー負荷i/io≒20〜40倍、約1/30秒
どの程度のサージプロテクターが良いかは実験的に決めるべきです。
(実負荷を拝借できれば降下確認テストなどでご協力させていただきます。)

取付の際シリコン接着剤を用いる場合、接点障害を起こすシリコンガスの発生が考えられます。低分子シロキサン含有シリコンの使用はおやめください。

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